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湿疹の種類 [湿疹の種類]

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 湿疹は、経過的には急性湿疹と慢性湿疹に分類されますが、一般的には、接触性皮膚炎、尋常性湿疹、内因性湿疹、脂漏性皮膚炎、ビーダル苔癬の5種類に分かれます。また、特殊型として、貨幣状湿疹、オムツ湿疹などがあります。

●接触性皮膚炎
ある物質が皮膚と接触した際に起こる炎症で、皮膚への刺激による炎症を「刺激性接触皮膚炎」、アレルギー反応による炎症を「アレルギー性接触皮膚炎」といいます。
「接触性皮膚炎」は、ウルシを代表とする植物、動物(ペットの毛・皮、珊瑚、ウミシダなど)、金属、石鹸、シャンプー、リンス、洗剤、漂白剤、光や太陽のエネルギー、食品、香辛料、農薬、繊維、ゴム、化粧品(アイシャドー・乳液・化粧水・ファンデーション・口紅・香水・マニキュア・ペディキュア・毛染剤・養毛剤・整髪料・ヘアスプレー・脱毛剤)、装身具(手袋・ピアス・イヤリング・ネックレス・指輪・時計バンド・ブレスレット)、外用剤、染料、防腐剤、化学薬品、避妊具、サンダルの鼻緒、カーテン、じゅうたんなど、多種多様な物質が原因となります。
接触性皮膚炎の症状は、痒みと発疹です。一般に痒みはかなり強いのに対し、発疹は軽度ですぐに消える赤みから、ひどく腫れたり大きな水疱ができる重度のものまでさまざまです。普通、発疹は小さな水疱を含んでいます。原因となる物質に触れた部分の皮膚にのみ、発疹ができます。発疹や水疱の中の液体に触れても、接触皮膚炎が物質に触れなかった部分にうつったり、他の人にうつったりはしません。 「刺激性接触皮膚炎」は、化学物質などが皮膚に直接損傷を与えた際に起こります。代表的な刺激物質には、酸やアルカリ、溶媒、洗剤・石鹸などがあります。こうした化学物質によって皮膚に異常を起こすまでの時間は、数分から数年までとまちまちです。また、誰でも発症するわけではなく、刺激物に対する皮膚の敏感さにも個人差があります。
刺激性接触皮膚炎のうち、おもに炊事や洗濯などの家事を行うことが原因で起こるかぶれのことを「主婦湿疹」といいます。
「アレルギー性接触皮膚炎」は、皮膚に接触した物質に対して体の免疫システムが示すアレルギー反応です。一度の接触で反応が起こることもある一方、何度も接触した後に反応が出ることもあります。 アレルギー性接触皮膚炎の原因となる物質は無数にあります。最も一般的な原因物質には、ウルシなどの植物性のもの、ゴム製品、抗生物質、香料、防腐剤、ニッケルやコバルトなどの金属類があります。皮膚炎治療のために使用する軟膏、クリーム、ローションといった薬剤でも、アレルギー反応は起こることがあります。

●尋常性湿疹
皮膚科などで一般的に「湿疹」と呼ばれるもので、「急性湿疹」と「慢性湿疹」に分かれます。湿疹の大部分を占め、臨床形態の明らかな内因性湿疹・脂漏性湿疹・ビダール苔癬を除外し、さらに接触機序の明らかな接触皮膚炎を除外した、残りのすべての湿疹を指します。

●内因性湿疹
代表的なものに「アトピー性皮膚炎」があります。
アトピー性皮膚炎とは、皮膚の上層部に生じる、かゆみを伴う慢性的な炎症です。原因はわかっていませんが、アレルギー性の病気、特に喘息、花粉症、食物アレルギーのある人に多く発症します。これらの病気と皮膚炎の関連性はまだはっきりわかっていませんが、特定の物質に対するアレルギーではなく、伝染することもありません。アトピー性皮膚炎を悪化させる要因には、感情的なストレス、気温や湿度の変化、細菌性の皮膚感染症、刺激を与える衣類との接触などがあります。乳児では、食物アレルギーがアトピー性皮膚炎を誘発することがあります。
乳児期の皮疹は、乳児湿疹に似ていて、湿潤・びらんを呈することもあります。12歳以降の患者は、概して重症になることが多く、苔癬化局面は著明かつ広範囲になります。顔面には色素沈着や細かいしわが生じ、長期の炎症とステロイド剤使用により、赤ら顔になることもあります。

(詳細については疾患名「アトピー」参照のこと)

●脂漏性皮膚炎
主に頭皮や顔、ときにはその他の部分にみられる慢性皮膚炎で、皮膚の表面のかさつきやフケなどの症状を伴い、アトピー性皮膚炎とは異なり痛痒感は強くありません。
脂漏性皮膚炎は、乳幼児から老年まで発症しますが、原因はよくわかっていません。男性に多く、しばしば遺伝し、寒い時期に症状が悪化します。エイズ患者の約85%も、この脂漏性皮膚炎を発症するといわれています。

●ビーダル苔癬
「局限性神経皮膚炎」ともいわれ、更年期以降の女性に多い疾患で、主にうなじから頸部にかけて淡褐色の扁平な苔癬を生じます。かゆみが激しいことが特徴です。近年は、慢性湿疹に含まれることが多い傾向があります。

●貨幣状皮膚炎
貨幣状皮膚炎は、かゆみ、発疹、炎症が持続する状態で、小水疱、かさぶた、うろこ状の皮膚を伴う、コインのような形の湿疹が特徴です。
普通は保湿剤だけでそれなりの効果が得られます。その他、抗生物質の内服、ステロイドのクリームか注射、紫外線照射を受ける光線療法などがあります。

●オムツ皮膚炎
オムツをしている乳幼児や老人に起こる湿疹で、尿や便、オムツなどの刺激が原因とされています。軽い場合は、アンダーム軟膏などの非ステロイド剤でもすぐに良くなります。重い場合はステロイドの使用が必要ですが、カンジダ症が誘発される可能性があるので使用には注意が必要です。

●全身性剥脱性皮膚炎
全身性剥脱性皮膚炎は紅皮症ともいい、全身の皮膚が赤くなってひび割れ、うろこ状にはがれやすい状態になる重度の炎症です。 まず、全身の皮膚表面が赤くなってつやが出てから皮膚がうろこ状に厚くなり、かさぶたができます。毛や爪が抜け落ちる場合もあります。痒みがあったり、リンパ節が腫れる場合もあり、多くの場合、発熱もみられます。大量の体液とタンパク質もにじみ出ていき、損傷を受けた皮膚は感染症にかかりやすい状態になります。
このように剥脱性皮膚炎が重度の場合は、入院して感染予防のための抗生物質の投与、皮膚表面から失われた体液を補うための輸液、栄養補給を受けなくてはなりません。さまざまな治療法で効果が上がらない場合のみ、プレドニゾロンなどのステロイドを経口薬か注射で投与します。皮膚炎を引き起こす可能性のある薬や化学物質はすべて使用を避けなくてはなりません。

●限局性掻爬皮膚炎
皮膚の上層部に生じる、痒みを伴う慢性の炎症で、慢性単純性苔癬、神経皮膚炎ともいいます。 身体のどの部分でも発症しますが、最も多いのは頭、腕、脚であり、肛門や腟に起こることもあります。初期段階では痒みはあるものの皮膚の見た目は正常です。症状が進むと、皮膚を掻いたりこすったりし続けた結果、その部分の皮膚が乾き、うろこ状になり、暗い色の皮疹ができます。
治療では、最初に痒みを引き起こした原因として何かのアレルギーや感染症がないかどうかを調べます。さらに異常のある部位の皮膚を掻いたりこすったりしないようにして、痒みに対する標準的な治療法を行う必要があります。ステロイド薬をしみこませた外科用テープを貼ると、痒みと炎症を和らげ、かつ、皮膚を掻かないよう保護することができます。どうしても我慢できない痒みを抑えるための、長時間作用するステロイド薬を皮下注射することもあります。肛門や腟周辺に発症している場合は、ステロイドクリームによる治療が最適です。


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タグ:湿疹 種類
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